2025.4.23【光の森】卯の月によせて

桜の盛りも過ぎ、あっという間に葉桜の季節になりました。
今年の桜は、満開になってから冷え込んだので、長く楽しむことができましたね。
桜が散っている時に思う歌があります。
平安時代歌人の在原業平が詠んだ和歌です。(伊勢物語)
<世の中に、たえて桜のなかりせば、春の心はのどけからまし>
「もしも世の中にまったく桜がなかったなら、春を過ごす人の心はどれだけのどかでしょうね」
この歌を受けて、こんな歌が詠まれたとか(返歌) (伊勢物語 詠み人知らず)
<散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき>
「散ってゆくからこそ、いっそう桜はすばらしいのです。そもそも、この辛い世の中に、永遠に変わらないものなど何があるでしょうか」
永遠でないからこそ輝く存在になるのかもしれませんね。
そして、春ならではの山菜も沢山採れ始めました。
我が家には竹山があるので、筍は堀りたてを皮つきで茹でて、
庭にある山椒の新芽をたっぷり、すり鉢ですって、酢味噌で食します。
ご近所からは、毎年「タラの芽」とか、「蕨(わらび)」をいただくので、
タラの芽を天ぷらにしたり、蕨を重曹であく抜きして、山菜ご飯などにします。
お礼は、生芋から作る「こんにゃく」にしています。
里山ならではの、春の過ごし方です。
春は、おいしいものが、いっぱいですね。